とりま、未来視してみる。

高専と大学卒業後、ベンチャー企業を3社起業・経営。と思いきや実家福岡に戻ってカフェで働くことに。

【読了①】天才と呼ばれた田中角栄−天才 石原慎太郎

 田中角栄を知らない世代

田中角栄

自分が知っている田中角栄は、総理大臣だった・小沢一郎のボスだった・お金の力を使ってのし上がった・田中眞紀子の父親・・たったそれくらいの知識しかなかった。全くの無知である。

しかし調べるほど、彼の非凡な才能行動力先見性を感じざるを得なくなった。

学歴は高等小学校卒業である。そこから、土方の仕事に就き、土木会社を設立。軍需により経営の成功を成す。

有名な「日本列島改造論」はベストセラーとなった。発表の年に総理大臣に就任している。

日本列島改造論では、新幹線の整備・都道府県に一つ空港を整備して細長い日本列島をコンパクトにすることを目指した。

また、中国の将来性を予見し当時台湾との関係が重視されていた中、日中国交正常化を実現した。

彼が発案し可決された議員立法は30本を超える。関与した法律はそれを優に超えるであろうと言われる。

そんな中、総理大臣在任中初の参議院選挙で300億円と言われる選挙資金を投入。金権政治と糾弾され、総理の職を辞した。

それからは、ロッキード事件収賄の疑いがかけられ、直前まで総理大臣の座に居たものが独居房に収監され、ついには懲役と追徴金の有罪判決を受ける。

裁判は続き、自民党からは離党、無所属になるものの100人以上の国会議員が所属する派閥を率いて裏から影響力を行使し続けた。

彼が中曽根康弘を総理大臣にした時には「田中曽根内閣」などと言われたのである。

そんな彼も徐々に求心力を失っていく中で、ついに脳梗塞で倒れる。

希代の政治家としての田中角栄。派閥抗争に明け暮れる田中角栄。家族との問題を抱える田中角栄

23年前に亡くなった彼が、いま再度注目を浴びているという。

2015年は数多くの田中角栄本が出版された。

田中角栄が今ブーム!『田中角栄 100の言葉』ほか 宝島社の角栄本が累計34万部突破|株式会社 宝島社のプレスリリース

そんな中、田中角栄の金権政治を批判して政界入りして来た石原慎太郎田中角栄にまつわる本を出版。

しかも、田中角栄を一人称として語るものと来た。

 

なぜ今、田中角栄なのか?

先月の新報道2001石原慎太郎氏がこの本の番宣に出ていた。

アメリカ属国から抜け出すための外交戦略。

通商産業大臣であった53歳の時には、北陸新幹線のルートまで描いていたと言う。

1971年の時であるから、昨年開業した北陸新幹線は44年前に彼が描いたとおりになっているのである。とてつもない先見性と、彼のシナリオが現代日本を作り上げているのである。

石原氏曰くロッキード事件日中国交正常化をアメリカの頭越しに実行に移したため田中は彼らに嵌められたのだという。

中国との国交正常化を褒め称える石原氏の隣で、金美齢氏(元台湾総統府国策顧問、台湾の独立運動家)がいるのは公正中立感が出ていて非常に面白い。

ここで、「今の若い世代の人は田中角栄に対する変なバイアスがかかっていない。彼のことを勉強するにはいい時期かもしれない。」という話が出た。

自分は、まさにバイアスがかかってない世代だと思う。

素直に石原氏に「天才」と表題をつけさせるまでの本を読んでみようと思った。

読んでみるとあまりに面白い本だったので、複数回に分けてブログに書いていこうと思う。

今日はこの辺でー。