日本経済の暗雲の正体-2016/02/20マネーの羅針盤
マネーの羅針盤
今週1000円の値を上げた日経平均株価だが、本格的な反発ではない。
昨年10−12月期GDPの速報値はマイナス1.4%
回復するいい要因がなく、現実の問題としては消費が増えてない。
アメリカの状況は?
ニューヨークスタジオ田中さん。ちょっと寝ぐせが目立つ。
サウジアラビアとロシアら産油4カ国が原油の増産凍結を発表し、NY株価は上がった。
米消費者物価指数(コア)は前月比0.3%の上昇。これは2011年8月ぶりの高上昇率。
労働市場も新規失業保険申請者数が26万人と低い値。
しかし、景気減速のシグナルは出ており2月の製造業景気指数マイナス値へ。
配当伸び率も下がっている。
確定申告はを行うアメリカ人の65.5%は還付を受けるだろうと予想されている。
そのうち、49.2%が貯金に回り、9.2%を消費に回す予定だという。
消費に回す分が減っているという。
今週のマーケット
- ダウ 2.6%上昇
- 日経平均 6.8%上昇
為替は一時114円台まで円安に進んだものの、金曜日に向けて上昇し112円台に落ち着く。
原油下落基調からは落ち着いた。
日本経済の暗雲の正体
暗雲の特徴を経済産業研究所理事長の中島厚志さんが解説。
株式マーケットの低迷、為替は112円の円高。
企業の業績を見ると経常は2015年も好調なのに、なぜ株価が下がるのか?
1つは急激な円高。
2つ目に投機に晒されているということ。
昨年どれだけドルに対して切り上がったか?
主要通貨の対ドルの騰落率を見ると、アメリカ利上げし日本は低金利政策を行った結果、
円は対ドルに対し5.8%も上がっている。
円以外の主要通貨は下がっている。
つまり資金が円に逃避している事になる。
円が安全資産な理由がないはずだが。。
円高→株安 円安→株高 が確実になっている。
なので投機筋は2重で儲けられる。例えば円高を狙ってトレードしている時に株安に張れば2倍で儲かるというわけだ。
よって円相場と日本株が狙われている。
この方程式のせいで、企業業績と異なる方向に連動しかねない状況になっている。
コンピューターにプログラムされたこのような取引のせいでボラティリティが増大し、財務諸表以上に影響を受けるようになっている。
日本の企業業績は史上最高だが、所得は90年台位になっている。
中小企業は必ずしも良くなっていない。円安で輸出は増えてないのだ。海外で売ってるものの円換算で円安がプラスに働いているだけで輸出でのプラスはない。したがって、輸出が収益源となっている中小企業は今回の円安がプラスに働いていない。
赤坂OLの会話で「朝と昼ごはんの予算で500円」と言う話が出ていた。これで消費が増えるはずがない。
金融が表舞台に出てきて乱暴なことをしている。これは規制したほうがいいのでは?
実際規制は充分ではなく、国際協調が必要になると中島さんは語る。
アメリカは他国通貨に対して独歩高の状況。他の国はまだ対ドル安誘導をしたいと思っている。
株価乱高下の犯人は?
窪田真之さん(楽天証券経済研究所長 兼 チーフ・ストラテジスト)が解説。
海外のヘッジファンド・外国人の日本株売りが出ている。海外から見ると日本株は変動が激しいので、何か悪条件があると日本株が売られる環境下になってる。
例えば、
また、日経平均ダブルブルファンドが影響を与えている。このファンドが流行ってる。
日経平均の変動幅の2倍で連動するように仕組まれている。
日経平均が、
ことで2倍連動が可能になる。3倍になるものも販売されている。
他にも、日経平均リンク債も影響を与えている。
20,000円から16,000円割れると元本割れの可能性があると言うファンドを組む。この16,000円をノックイン価格という。
ノックイン価格になると、先物に売りが出るとプログラムされている。
これが自動的に発動するため、経済の要因に合っていない売りが発生している。
なので日本株は割安になっているのではないか?と言う。
来週の予定
26日 日本 全国消費者物価指数 発表
26日 米国 四半期GDP(改定値) 発表
プログラムトレーディングの問題と対処
これからも荒れるのか?
マーケットの安定が大事。円高円安で振りまわされない体質を企業が作る必要がある。
為替を動かす投機筋のコントロールが大事だと思うが、なかなか難しい。