とりま、未来視してみる。

高専と大学卒業後、ベンチャー企業を3社起業・経営。と思いきや実家福岡に戻ってカフェで働くことに。

【読了③】天才と呼ばれた田中角栄−天才 石原慎太郎

田中角栄の名言は多く、良く知られている。

有名なものにはに関係するものも多い。

  • 数は力、力は金だ
  • 約束したら、必ず果たせ。出来ない約束はするな。ヘビの生殺しはするな。借りた金は忘れるな。
  • 貸した金は忘れろ。

権謀術数を極め、金の力も使い総理大臣に上り詰めた田中が就任直後に着手した仕事は日米首脳会談と中華人民共和国の訪問だった。

 

言必信行必果

中国との国交正常化交渉。相手は周恩来

連中もかなり焦っているなという気配を感じ取った田中。

「むしろここはこちらが売りで向こうは買いという総体的な関わりなのが強い感触で受け取られたな。後はどう遠回しででも、こちらの取り分をどれだけせしめるということだ。」

日中国交正常化に当たって、台湾の航空機を否定する(青天白日旗)よう中国政府から要請を受け、小を捨てて大に就く事を選んだ。

中華民国は対日国交断絶を発表。日本の飛行機は台湾周辺を迂回して飛ぶことになった。しかし、俺が総理の座をやがて退いて他の代になれば自然に解消されることに違いない。という確信があった。

周恩来が共同声明を発表後に一枚の色紙を手渡してきた。

「言必信行必果」

意味は、「その言葉は必ず真実であり、やるべきことは必ずやりとげる。」

田中は難しい交渉をやり遂げたのである。

 

翌年石油危機が発生。一方的なアメリカ依存の原油。電力を食うアルミ産業が壊滅した。アメリカやメジャーに頼らぬ日本独自の導入ルートを開拓すべきとして、エネルギーの直接確保を努めた。

 

終わりの始まり

総理就任後初の参議院議員選挙が始まる。党として未曾有の公認料一人3,000万円を配った。青嵐会の石原らが田中金脈問題を批判した。

ジャーナリストの立花隆児玉隆也文藝春秋に批判論文を掲載。特に児玉隆也の「淋しき陸山会の女王」で秘書で愛人の佐藤昭を暴いた。彼女は国会の参考人招致を受けることに。 佐藤との娘の敦子リストカットを繰り返し、終いには飛び降り自殺未遂をおかした。初めての子供であった正法を5歳で失った苦い思いでが蘇ってきた。その悲しみに比べれば、総理の地位など大したものではない。

総理の座を投げ出すことに決めた。

田中の苦難は更に続く。ロッキード事件が発生したのだ。

ロッキード社は売り込みのために巨額の資金工作を、日本、ドイツ、フランス、オランダ、イタリア、スウェーデン、トルコに提供していた。

政商小佐野賢治、右翼の大物児玉誉士夫に。そして丸紅経由で政府高官に1,000万ドル 邦貨にして30億円が配られていた。内21億円は児玉のコンサルタント料だったという。児玉に近しいのは河野一郎との関わりからして河野派を継いだ中曽根に他ならない。田中の次に総理になった三木は退陣工作を阻止するために田中事件を利用した。

法務大臣になった稲葉修。彼は口数が多く軽くてあてにならぬところがあって、とても閣僚には向かぬと思っていた。まさかの逆指揮権を発動。田中は逮捕されることになった。痛いことに検察に聴取された田中の運転手が自殺してしまった。直前に秘書に電話があった、誰かにつけられていると。

独居房に入れられる。この時こう思った。

この俺をこの国の頂点まで引き上げてくれたものがこの俺を見捨てるはずは絶対にないと思った。いや信じきった。

収監後、三木と重臣らが密かに集まりこの件に関して名前の囁かれている者たちへの対策を協議した。法務大臣の稲葉から「中曽根くんは大丈夫」と太鼓判を押されたらしい。

逮捕のシナリオはこうだ。ロッキードから丸紅幹部の伊藤宏に渡った金は、秘書の榎本へ。額は5億円。その結果全日空に機体購入の働きかけが行われたと言うものだった。

榎本の離婚した妻の証言がこのような証言をした。女の怖さというものだろう。免責証言(司法取引)という日本にはない制度を使った裁判。これは裁判という名を借りた演劇だった。

俺は俺なりに尽くしてきた、この国のために。

表に立たずとも、陰からであろうと俺なりに何が出来るか?何をするか?ということを考えていた。

 

闇将軍とその綻び

田中は離党したが、田中軍団の力は強大だった。盟友大平を総裁選で当選させた。福田と中曽根をひっくり返す出来事だったが、2年後に大平氏の急去。

中曽根内閣が発足した折には、田中が重用した後藤田正晴官房長官に登用させた。田中曽根内閣と言われる。

そのせいもあって目白の自宅には千客万来だった。裁判が長期化する中で、無所属だったものの地元選挙区では1位当選を続けていた田中は裏から自民党を操り続けた。

逮捕から7年後ようやく一審判決が下った。懲役4年、追徴金5億円実刑。裁判所から目白の自宅に戻ると江﨑真澄、金丸信小沢辰男ら腹心が出迎えた。

榎本が供述した五億円。なぜ彼はそれを認めたのだろうか?調書が取られた当日の新聞に田中が罪を認めたというウソのリークが流れたのだ。親分が罪を認めた。それを信じた秘書は調書に署名したのだろう。

五億などという金は田中にとっては端金に過ぎなかった。膨大な選挙費用を使った。それは必要経費なのだ。先の参院選でおよそ300億円は集めて使った。

田中が退陣してから丸10年。ポスト中曽根には二階堂を立てていき、自分が復権するまで手綱を締めつけていけばいいとでも思っていた。この時点ではまだ無罪が確定したら自民党へ復党し、表舞台と総理への返り咲きを狙っていたのだ。

この頃田中と金丸との間の微妙な亀裂が始まった。

「オヤジの都合でいつまでたっても草履をつくらされているんじゃかなわない」

中曽根が田中に引導を渡しに来たがそれを断った。選挙で田中は完勝したが自民党は惨敗していたのだ。

その後、中曽根は新自由クラブと統一会派を組んでようやく安定政権。「田中氏の政治的影響力を一切排除する」という総裁声明までだした。

金丸と竹下のラインが日ごとに肥大化。

金丸と竹下、橋本龍太郎小渕恵三梶山静六羽田孜、さらに小沢一郎までが創政会の発足準備を進めていた。

小沢がインタビューで「オヤジの方ばかり見ていたら何もできない。自分は竹下さんを総理の座につかせるつもりだ」と発言。

田中は二階堂を総裁にしたかったが事は既に遅かった。1985年2月7日創政会発足。田中軍団からも40人が参集した。

「ああ、権力と言うものは所詮水みたいなものなのだ。いくらこの掌で沢山、確かに掬ったと思っても栓のない話で、指と指の間から呆気なく零れて消えていくものなのだな」

 

さらば田中角栄

創政会発足の20日後。

脳梗塞で左の脳がやられた。声が出ない。子供の頃のどもりが思い出された。 

次の選挙には出馬しないと婿の直紀が発表してくれた。

思えばあれから今日まで俺はどうやって過ごしてきたのだろうか

今のこの国を眺めてみろ、俺のいった通りになっているではないか。 いつか、思いもかけぬきっかけでまたあの俺が蘇ることがないと誰にいえるのだ。

折しもこの年に関越自動車道開通。田中の悲願だった裏日本と東京がつながった。

神楽坂の芸者辻和子との子供のことを思い出す。誰もいない。この俺以外には誰もだ。

眞紀子が辻の子供に会うことを許さなかった。

辻からの電話があったその翌日の午後、田中の体は自分でも分かるほどに変調をきしていた。

体全体が解体されながらどこかに向かって沈んでいくような気がしてきた。

俺はただ、「眠いな」と答えた。

そしてそのままもっと深く永い眠りに落ち込んでいったのだった。

【読了②】天才と呼ばれた田中角栄−天才 石原慎太郎

石原慎太郎

自分の認識は、元東京都知事、一時期は暴走老人などと言われて太陽の党やたちあがれ日本の設立その後橋下徹と組んで日本維新の会を軒並み作っては合併分裂させていた方。

政治家としては、東京都にオリンピックを誘致したことやディーゼル車の規制を行ったことのイメージが強い。

作家としての石原慎太郎氏はさっぱり知らなかった。

もともと本を読まない自分としては、初めて石原文学に触れる挑戦となったのだ。

この「天才」を書くにあたって、石原氏は自身の政治家時代の経験はもちろんのこと多くの彼の資料を収集し執筆にあたっている。

226ページの本を精読したので、数回に分けてブログに残して行こうと思う。

1回目は、出自から総理大臣まで上り詰めるまで。

 

田中角栄の基礎

小学生の頃までどもりがどうしても治らなかった。流暢に話すことが出来なかった。ドモリの克服のため一念発起し、学芸祭の劇で主役になることを担任に懇願する。また、舞台演出として音楽を流したりいろいろと工夫したところ、流暢な言葉回しができ劇は大成功。ここで成功には根回しが必要であることを学んだ。

 

競馬好きで馬主の父親が金で困ったとき、親族にお金を借りに行った。親族はお金を貸してくれはしたものの「借金をするとはどうしようもない父親だな。」と言われてしまう。お金で人の評価まで決まってしまう事をこの時知ったのだ。

 

小学校卒業後1ヶ月ドカタの仕事をした。トロッコを押し汗水たらして働いたが僅かな金しか得ることができなかったが、知人の紹介で県の土建事務所で働くことになった。つい先日まで下っ端で働かされていたのに、翌日は現場監督で県からの仕事を指示する立場に変わった。この国は役人の縦の仕組みで動かされていることを学んだ。

 

昭和13年徴兵検査に甲種合格となり、満州での兵役につくことになる。軍隊では食糧管理の任についたが、当時の管理はずさんなもので、食料庫に夜な夜な盗みに入る他の兵隊を見す見す見逃してやることを覚えた。このことで賄賂の効用を学ぶことになった。

 

数は力だ、力は金だ 国政への進出

肺炎にかかり除隊後、飯田橋に田中建設事務所を設立した。事務所の家主の娘と結婚し、ほどなくして息子正法が産まれた。乱暴に頬ずりをした時の感触。父親になる感触を感じた。しかし5歳での死。この時の家族の尊さと命の尊さ、何もしてやれなかったという後悔は、角栄の総理大臣を放り出す遠因にもなる大きな影響を与える出来事だった。

 

田中土建工業株式会社に改組し、軍の仕事を請け負し全国有数の土木会社となった。

田中土建工業の顧問で進歩党の代議士から300万円工面を依頼された。天下の政党がそれほどの金で済むのか。と田中は思った。

15万出して立候補しろと言われ周りに押されるがまま立候補。キャッチフレーズ「若き血の叫び」

演説では「三国峠をダイナマイトで吹っ飛ばせば新潟に雪が降らない。その土を日本海に運べば佐渡島と陸続きになる。」パナマ運河スエズ運河を例に挙げて国土の改造を呼びかけた。

 

その時の選挙は落選したものの、翌年の選挙で当選。

同期当選となった中曽根康弘と国会議事堂のホールで出会う事になる。 彼は反吉田のホープで官僚のエリート。自分は小学校卒で企業から成り上がったもの。因縁めいた物を感じたその時はまだ30歳だった。

 

第二次吉田内閣の法務政務次官に異例の抜擢をされた。
吉田みたいなエリートは異端に興味が湧くのだ。吉田の問いかけ「出生届を自分で出しに行ったそうだね?」に対して「なぜそのことを知っているのですか?」と答えた。心を捕まえたと感じた。

 

その後は国対委員に。互いの利益の確保で国民の立場へのしん酌が欠けている現場を見る。

問題の裁定の時は、トロッコを押した経験を語る 。「あんたら土方をやって汗水たらしてトロッコ押したことがありますかね?」誰も反抗できる議員はいなかった。

その頃、20本の新しい法案を発案した。

 

そんな中、造船疑獄が発生した。167億円が政府負担して海運が壊滅していた中で船を作る政策が必要だった。

造船疑獄とは飯野海運から佐藤栄作池田勇人に1,000万円が贈与されたというものだ。東京地検は両氏の逮捕に乗り出すが、犬飼健法務大臣が指揮権発動したという事件だ。

田中に言わせれば、これは当たり前だろうと説く。何かお願いをしに挨拶に行くとき菓子折りを持参するようなものだ。167億の金が動くときに何かのお願いをするときに1,000万円くらいの金が送られるのは当然で、そのための政治だ。と。

「そのためにこそ政治という手段があるのではないか。政治家には先の見通し、先見性こそが何よりも大切なので、未開の土地、あるいは傾きかけている業界、企業に目をつけ、その将来の可能性を見越して政治の力でそれに梃入れし、それを育て再生もさせるという仕事こそ政治の本分なのだ。」

彼にとって造船疑獄は、先を見通して傾きかけている業界を政治が梃入れして再生させた事と映ったのだろう。

 

政治家を志す人間は、人を愛さなきゃダメだ。

その後大蔵大臣に就任。ここで、田中角栄の名言が出る。

「私が田中角栄だ。私の学歴は諸君と大分違って小学校高等科卒業だ。諸君は日本中の秀才の代表であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だがトゲの多い門松を沢山くぐってきていささか仕事のコツを知っている。これから一緒に仕事をするには互いによく知り合うことが大切だ。我と思わん者は誰でも大臣室に来てほしい。何でもいってくれ。一々上司の許可を得る必要はない。出来ることはやる。出来ないことはやらない。しかしすべての責任はこの俺が背負うから。以上だ。」

相手を褒めることに長けていた。この言葉は当時の若手官僚の心をくすぐっただろうと容易に想像できる。

 

大蔵大臣の時、日銀総裁と電話一本で日銀特融の発動。氷川密談で大手銀行の協力の約束を取り付けてしまう。

大蔵省主税局税制第一課長の山下元利のミス(間違った税率表を議会で発表)を潰した。ミスを犯した役人は辞表を忍ばせ田中のもとに謝罪に来るが笑って追い返したという。翌日に先日の税率表は間違いだったと議会で素直に訂正したのである。もちろん間違いを発言する前の根回しはしていた。この頃から役人が田中になついてくるようになった。

 

ニクソン大統領とゴルフ場を回った時のこと。ゴルフが得意ではなかった田中がニクソンにジョークを飛ばす。「まだビギナーだが、最近うまくなってきた。いずれマスターズを目指すつもりだ。」ここでも、ニクソンの心を掴んだ田中。

食事の席でニクソンから隣に座るように促された。当初は福田が座る予定だった席だ。当時から角福戦争は始まっていたのである。

 

日本列島改造論発表。佐藤栄作首相は福田を次期総理に推していた。

佐藤栄作とは対等にやりあっていた田中。佐藤栄作田中角栄が言い争ってお互いそっぽを向いていたりすると、橋本登美三郎が「もう喧嘩はすみましたか?」などとおずおずと出てきていた。

佐藤は田中と福田と保利を競い合わせてうまく使い政権を長持ちさせた。佐藤とは権力共有関係だったのだ。

福田優位と自他認める中で歯がゆさを感じる田中。

「俺は佐藤さんが苦しい時や危ない時は必ず顔を出し局面を切り開いてきたつもりだ。今度もあの人が傷つかぬように彼の顔を立てて最後まできちんとしてやろうと心に決めているんだよ。」

福田は何もしてないが、田中は自分は支えてきたという自負があった。

 

佐藤4選を画策する中でじっくりと人間関係を構築していった。4選を目指してくれたおかげで、長考の間に小さな歩の使い様まで綿密に考える事ができた。

政治の出来事は、商売の取引に似たものがある。駆け引きには裏があるのだ。

冠婚葬祭には腐心して手を尽くす、人間の肌合いの問題なのだ。

後に、政敵であった者の葬式に田中軍団総出で参列したこともある。

 

今太閤

総裁選本選挙の結果、田中156票 福田150票 大平101票 三木69票

決戦投票では大平票と三木票の大部分を獲得し総裁選出。

高等教育の学歴がない者がこの国のトップまで上り詰めたのだ。百姓の身分から天下統一を果たした太閤 豊臣秀吉になぞられ、今太閤と呼ばれた。

官僚主導を念願する佐藤・岸兄弟に勝利した瞬間であった。

念願だった日本列島の改造。そしてアメリカに先を越された中国との関わりの健全化だ。

政治家の責任とは、役人と違ってもっと大掴みに国の将来を考え、それに備えて施策を考え実行することだ。

外務大臣に盟友大平正芳を据え、中国との国交正常化交渉に臨んでいく。

 

田中角栄が今もてはやされるのはなぜだろうか

石原慎太郎の本人の意見を田中角栄に代弁させている本だろうな。と思わずには居られない本である。随所随所に過去の文献をさらって出てきた言葉とは温度感の違う言葉が踊る。

まさに亡霊に語らせるということだ。何故か死後23年を経て21世紀の日本に舞い戻ってきた亡霊を通して、石原が政治家・国民に語りかけているのだろう。

 

長期政権になるのが間違いなしの安倍政権覇権主義南シナ海への進出を続ける中国。全く機能していない野党。

そんな中で、長期的な視点に立って政策を作り、人の心をうまく掴んでいった田中角栄に何かを学んで欲しいと言うのが石原氏が言いたいことなのではないだろうか?

 

中国との交渉を成功させる田中角栄氏、金権政治と批判され退陣しロッキード事件に巻き込まれ、その後裏から政治を操る立場になっていく過程はまた次回。

今日はこの辺でー。

【読了①】天才と呼ばれた田中角栄−天才 石原慎太郎

 田中角栄を知らない世代

田中角栄

自分が知っている田中角栄は、総理大臣だった・小沢一郎のボスだった・お金の力を使ってのし上がった・田中眞紀子の父親・・たったそれくらいの知識しかなかった。全くの無知である。

しかし調べるほど、彼の非凡な才能行動力先見性を感じざるを得なくなった。

学歴は高等小学校卒業である。そこから、土方の仕事に就き、土木会社を設立。軍需により経営の成功を成す。

有名な「日本列島改造論」はベストセラーとなった。発表の年に総理大臣に就任している。

日本列島改造論では、新幹線の整備・都道府県に一つ空港を整備して細長い日本列島をコンパクトにすることを目指した。

また、中国の将来性を予見し当時台湾との関係が重視されていた中、日中国交正常化を実現した。

彼が発案し可決された議員立法は30本を超える。関与した法律はそれを優に超えるであろうと言われる。

そんな中、総理大臣在任中初の参議院選挙で300億円と言われる選挙資金を投入。金権政治と糾弾され、総理の職を辞した。

それからは、ロッキード事件収賄の疑いがかけられ、直前まで総理大臣の座に居たものが独居房に収監され、ついには懲役と追徴金の有罪判決を受ける。

裁判は続き、自民党からは離党、無所属になるものの100人以上の国会議員が所属する派閥を率いて裏から影響力を行使し続けた。

彼が中曽根康弘を総理大臣にした時には「田中曽根内閣」などと言われたのである。

そんな彼も徐々に求心力を失っていく中で、ついに脳梗塞で倒れる。

希代の政治家としての田中角栄。派閥抗争に明け暮れる田中角栄。家族との問題を抱える田中角栄

23年前に亡くなった彼が、いま再度注目を浴びているという。

2015年は数多くの田中角栄本が出版された。

田中角栄が今ブーム!『田中角栄 100の言葉』ほか 宝島社の角栄本が累計34万部突破|株式会社 宝島社のプレスリリース

そんな中、田中角栄の金権政治を批判して政界入りして来た石原慎太郎田中角栄にまつわる本を出版。

しかも、田中角栄を一人称として語るものと来た。

 

なぜ今、田中角栄なのか?

先月の新報道2001石原慎太郎氏がこの本の番宣に出ていた。

アメリカ属国から抜け出すための外交戦略。

通商産業大臣であった53歳の時には、北陸新幹線のルートまで描いていたと言う。

1971年の時であるから、昨年開業した北陸新幹線は44年前に彼が描いたとおりになっているのである。とてつもない先見性と、彼のシナリオが現代日本を作り上げているのである。

石原氏曰くロッキード事件日中国交正常化をアメリカの頭越しに実行に移したため田中は彼らに嵌められたのだという。

中国との国交正常化を褒め称える石原氏の隣で、金美齢氏(元台湾総統府国策顧問、台湾の独立運動家)がいるのは公正中立感が出ていて非常に面白い。

ここで、「今の若い世代の人は田中角栄に対する変なバイアスがかかっていない。彼のことを勉強するにはいい時期かもしれない。」という話が出た。

自分は、まさにバイアスがかかってない世代だと思う。

素直に石原氏に「天才」と表題をつけさせるまでの本を読んでみようと思った。

読んでみるとあまりに面白い本だったので、複数回に分けてブログに書いていこうと思う。

今日はこの辺でー。

野党はなぜツッコミきれないのか?−2016/02/21そこまで行って委員会NP

自民党の数々の問題議員たち

一億層活躍社会で女性大臣登用に失敗か?

 

問題発言の追求の一方経済は、GDPマイナス成長

石原伸晃新経済担当相は記録的暖冬による衣料品販売が原因と言う。

本当にそんな言い訳でいいのか?

確かに日経平均株価に大きな影響を与える【9983】ファーストリテイリングの株価は、2015年12月1日の49,890円から続落。先週金曜日2/19時点で31,500円で36.9%の下落だ。

本当に冬物衣類の販売が下がっているかを確認すると、「国内ユニクロ事業 売上推移速報2016年8月期2015年9月1日〜2016年8月31日」を見ると、売上高の前年比は10月105.9%、11月期91.9%、12月期89.3%と確かに暖冬による売上減少はあったようだ。

 

経済では他にもマイナス金利解禁。

そんな中でも安定の支持率で一党独裁自民党。いろいろな問題がある中でもかすり傷なしと言っていい。野党が不甲斐ない。。

なぜ揺るがぬ安倍政権は揺るがぬのか?

ウィークポイントは?

そこまで行って委員会では民主党の論客緊急招集した。

野党はなぜツッコミきれないのか緊急討論 

竹田恒泰氏、五味廣文金融庁長官、金美玲氏、中田宏横浜市長高田万由子氏らと

ざこば師匠が舞台のため休みで筆坂秀世共産党幹部が参加。

ゲストは民主党大塚耕平政調会長代理と同じく民主党渡部周議員。

渡辺さんは民主党内で出番と居場所がないという。民主党の真ん中は岡田さん。

大塚さんは岡田さんと仲良いが、渡辺さんはほどほどの付き合いらしい。

岡田フランケンシュタイン

岡田代表の素顔は?夜お酒飲まない・真面目でつまらない・女性スキャンダル2万%ない。

Q.甘利大臣辞任・宮崎議員辞職は正しかった?

全員正しかったと回答。

辛坊さん曰く、宮崎のネタは数字が取れなかったという。女性の中には映った瞬間にチャンネルを変える人が多かった。画面で見たくないと女性の言う意見。

テレビは馬鹿だな。このネタやり過ぎ。というパネリストも。

宮崎議員の辞任会見がかっこ悪かった。野々村のがマシと竹田氏

甘利さんはよかったが宮崎氏逃げたように感じる。

質疑応答が、アドバイザー通りにやっているのでパフォーマンスに見える。前から結婚式をマスコミに全面公開するなど売り出しに使っていた。

これは誰の責任か?投票した住民なのか?いや、公認した政党の責任だろう。彼は落下傘候補。公募で選ばれ、若くてスピーチがうまくて企業経営経験者だったから選ばれた。もともとは地域のことをよく知って支えられた人が選出されていたのだが、ここに来て公募手法の弊害が出ているという中田宏横浜市長

188cm長身で一見さわやかなイケメンってだけで、メディア選挙で勝つやつが出てきた。

甘利大臣辞任は正しかったか?

あっせん利得収賄の可能性がある。

今まで地方議員への適用はあるが国会議員は初めて。もし適用されなかったら今後国会議員には適用されないのではないかと心配される。

公設秘書が適用を受ければ連座制で議員まで及ぶ。秘書がやっているならば議員辞職があり得ると語る渡辺周議員。

睡眠障害で逃げるのは美学じゃない。

田中角栄の金権政治を嫌って台頭して来た新自由クラブから出てきた甘利さんが金と政治の問題で辞任に追い込まれるのは残念。

TPPの責任者だったのにいなくなったしまい、内幕がわかっている人がいなくなった。

民主党はどうやって追求していくのか?

政治倫理審査会で甘利氏を呼んでから、予算委員会にも参考人招致するのが筋だろう。

メディアに対する弾圧

「政治的に公平性を書く放送を続ければ、電波法による停波はあり得る」

高市総務大臣の答弁だ。

細野豪志議員は放送事業者の萎縮効果は大きいとして、発言の撤回を求めた。

これに対して、司会の辛坊死は高市氏の問題ではなく民主党が批判を行うためにハメたという。

安倍首相は高市発言を一般論を言っただけだと擁護。

毎日新聞表現の自由を損なうと報道。

古舘伊知郎膳場貴子、岸井重隆、国谷裕子が相次いで報道番組を降板する。

「私は強行採決だと思います。」と発言した古舘氏

政権批判をするキャスターが降板させられているのではないか?

 

停波発言問題あり?

どちらでもない2人、問題あり1人、問題なし5人。

民主党渡辺氏は「小泉劇場の時はメディアを使って、問題があるとメディアを批判する自民党のご都合主義」と批判。 

問題なしと語ったパネリストからは、メディアのガッツのなさの方を批判

1993年椿発言問題を引き合いに出して、放送法のあり方に議論は進展。

当時のテレビ朝日取締役報道局長の椿氏が、①反自民の報道をすること②日本共産党に意見表明の機会を与えないと発言。その結果、放送法違反による放送免許取り消し処分が本格的に検討された事件である。

放送法第4条にある、「政治的に公平であること・意見が対立している場合については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」がなぜあるか?

それは一部の企業に公共の電波を与えたから中立であるべきというもの。

元を辿るとアメリカ占領下のフェアネスドクトリンがルーツ。

1987年にフェアネスドクトリンをなくしたアメリカはFCCを設立し政府として独立して放送通信に関する免許の交付や更新の可否をおこなう。

民主党の政権時、政府から離れた機関を作ろうとしたという。

自民党が萎縮効果を狙っているが放送局は報道の自由の矜持を見せられるか?

テレビ局だけ4条守ってるのはおかしい。新聞は論説委員がいる(偏ってもいいから)がテレビは解説委員しかいない(中立じゃないといけないから)。

第4条改正の議員立法も検討されている。誰が中立かを監視するか?総務省がやるのか権力側が監視することになってしまう。

そもそもテレビ以外にも発信手段がたくさんになっている中では放送法改正は必要。

国家権力と表現の自由の対立。椿事件を契機に、NHKと民間で出資して論説の管理をするBPOを作ったんだからもっと自由に喋るべきだろう。

女性閣僚の舌禍事件

丸川議員が、「1ミリシーベルト以下の基準は当時の細野環境大臣が何の根拠も無く言った」と発言したが、毎日新聞によるとICRPが勧告した値で根拠はあるという。結果的に発言を撤回したが辞任をしなかった。

島尻議員の歯舞(はぼまい)が読めなかった件は、大谷昭宏氏が「女性をつけておけば誰でもいいでしょ」と批判。

なんだか言葉狩りな気もするけど、北方担当相には間違えてほしくなかった。 

第2時安倍内閣も女性閣僚が2人辞任。

数合わせの女性登用で現実能力が追いついていない。

選ばれない人が選ばれた、能力的に男性なら選ばれなかったと田嶋陽子が居たらキレてた発言がいっぱい出ていた笑 

丸山議員問題発言

「黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ。奴隷がアメリカの大統領になるなんて考えもしない。それだけダイナミックに変革していく国だ。」

文脈はアメリカを褒めてる。しかし、乱暴である発言であるのは間違いない。

これは差別じゃないと言う司会の辛坊氏。

民主党議員からは丁寧に言わないといけないとも。

 

マイナス金利は失策か?

デフレの脱却できるか?GDPの1.4%のマイナス成長

原因を暖冬により冬物衣料が売れなかったからと言う石原経済再生相。石原さんの経済政策能力に疑問を持っていた麻生財務相も同じ説明をしていた。

次の経済再建プランはない?

新黒田バズーカー

マイナス金利の狙いは「お金を預ければ損する」ということ。

企業に融資を促す。

マイナス金利で円安株高にすすめる思惑が、原油安と中国減速でまた円高株安に。

長期金利は初めてのマイナスに転じ、住宅金利低下が負担減へ。

しかし、普通預金の金利0.001%にメガバンが引き下げ。ATM手数料の値上げや維持手数料を課すかも?と予想される。

先行き不透明な中、消費税増税延期の予測もある。

マイナス金利政策は正しいと思う?

正しい5人、正しくない2人、わかりません1人。

金融庁長官五味廣文氏は「副作用ばかりで効果はあまりない。タイミングが悪い」と発言。

金融は当面使う予定のないお金を必要な人に貸すこと。これを専門用語で信用創造と言う。

銀行は預金を預かるのを控えたいと言うインセンティブが働く。劇薬で国債買い入れや株を買うことができる今はまだ使うタイミングではない。

マイナス金利をやると金利を下げて貸すため薄い利ざやが更に薄くなる。銀行の財務が圧迫するだろうと語る。

2月16日以降の積み上げ分がマイナスになるだけなのになんでそんなに騒ぐのか?

対象は10兆円程度マクロ加算高という日銀が優遇して金融機関に貸す分は0%でごく一部な10兆円。

そもそも、今の政策が問題で2008年以降に日銀当座預金に1%付けるのが問題と長谷川幸洋氏は指摘。

当座預金はもともと金利つかない。白川総裁時代に始まった。0.025%の普通預金金利で金を集めて、1%の金利を日銀からもらって簡単に稼げていた。

融資を手を抜いていても銀行は2200億円くらいもらっていた。これは補助金と変わらないと痛烈に批判。

大塚耕平議員は元日銀マン。金融機関は日銀に200兆円預けている。

銀行はすぐ顧客に転嫁しようとしている問題がある。

日銀はデフレ脱却のためにというが、株価対策のためにやっているのは間違いない。こんなことを認めては行けないという。

しかし、金融機関の景気が悪くなってしまったら、もしかしたらローン金利を上げるかもしれず、マイナス金利の影響はどう動くかが分からないという問題がある。

金美玲氏は、消費者と考えると借りる側としてはいいと発言。金を借りられる人は借りて「消費で内需を高めよう」と発言。

確かに金持ちで与信がある人にはじゃんじゃんお金を借りて(リスクを取って)消費してくれればいいのにと思う。 

メガバンが引き下げた0.001%の金利でATM手数料を取られたら消費者にとっては実質のマイナス金利ではないか?手数料をあげようなんていうのは便乗値上げだ。

テザー金利といい最初の3ヶ月だけ高い金利で金を集める銀行も出てきている。注意が必要だ。

また、金融緩和でリスクの高いところに金が貸されることで金融危機になるかもしれない。

 

金融庁長官の五味氏によると、銀行の現在の財務状態は収益性が悪くなっている。一つは金利水準が低いこと、二つは地域経済が伸びてこないことで、新しい物を借金をして買う雰囲気になってない。

旧3本の矢だったはずなのに「お金を借りて使わないと乗り遅れるぞ!みたいな雰囲気になっていないのが問題」

規制改革・財政再建関連のプログラムがくまれていたのに、第3の矢をちゃんとやってないのが問題だと。

 

規制改革会議の委員を務める長谷川氏。

雇用面で見ると、昨今正社員の増加は非正規社員より多いという。 

地域限定社員という制度を作って増やしているので、五味氏の批判の全く動いてないわけではないという。

アベノミクスは効いているけれども株安円高、グローバルな経済が悪くなっているからそう効いてないように見える。

 

イギリスにも住んでいる高田氏によるとイギリスの消費は凄いインフレで3年前から比べると3倍位に。

日本は物価が安くなっているので、もっと安くなるまで待つ。インフレなイギリスは早めに買っとかなきゃというマインドに。

イギリスの給与も上がっているのでそんな下がっている印象は受けないという。

そういう風になるのが大事だよな。

日本は完全にスタグってる。(インフレが発生しつつ、所得は下がっている)

もともと設定した「2年間でマネタリーベースを2倍にして2%インフレ実現」は失敗している。

マイナス金利を反対した日銀委員4人のうち3人は金融界。金融界は反対している(ポジショントーク)。

民主党はどうなの?

民主党中川正春議員(元文部科学大臣)が「総理の睡眠障害を勝ち取りましょう」と発言。枝野幹事長も謝罪し厳重注意した。

残念な民主党ポスター

岡田代表の笑顔怖い、目の焦点が定まってない。

民主党は嫌いだけれども民主主義は守りたい」自虐か?  

野党再編について代表は「新党結成も選択肢として排除されていないと回答し、内部ではモヤモヤ。

江田五月輿石東北沢俊美が今度は立候補しないと言う。それは出ても勝てないから?

代表質問では「覚悟が足らなかった」と懺悔・

世論調査で甘利辞任でも自民の上昇。

民主党参院選で負ける準備をしてるんじゃないの?

今の民主党をどうおもいますか?

いい人が多いのに集まると問題になるのは、民主党に政治家として大きな器の人が居ないから。

くだらない上げ足取りはやめろと委員会らしく民主党を大バッシング。

今後どうする?

渡部周氏は「ごちゃごちゃ言わずに新政党を作る。保守層が安心できる新党を結成をできるだけ早く」と発言。

安全保障という根幹が違う人が一緒になってるのが問題。

共産党民主党は修行せよ」という竹田氏の提案に、元共産党幹部の筆坂秀世は「(共産党)検討してください。笑」

と番組を締めた。

 

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安倍政権に逆風!野党はどう出る?−2016/02/20田勢康弘の週刊ニュース新書

アベノミクスに陰り

今週日本初マイナス金利が導入された。年明けから続く円高株安。GDPマイナス成長に転じる。

アベノミクスに陰りが見えてきた。

マイナス金利・閣僚や議員の失態や失言・政治とカネの問題。

野党はどう対抗するのか?

政権交代をするための野党大結集はあるのか?

 

細野豪志民主党政調会長)が登場

失言と不祥事が続き公の仕事と自覚してない人が多い。それは先の選挙で急に自民党議員が増えたせいだと田勢さん。

失言の追求もそうだが、最近の国会の議論で経済論争をやってほしい。

アベノミクス一人歩きで実態はなく、特に金融政策に問題がある。

日銀の決定に国会はどう反応するのか?という問いに、

孤高の存在だった日銀、黒田総裁になって政治的な総裁になっていると細野議員は語る。

 

マルバツコーナー

マイナス金利政策は景気にプラス? → ×

アベノミクスの代替案が民主党にもある? → ◯

時代が求めるなら、憲法改正もある? → ◯

新党立ち上げもある? → △

将来総理になる覚悟はある? → ◯

 

ホソノミクス

アベノミクスに代替案があると言う。細野議員の三本の矢は、

  1. 正社員になれる社会
  2. 人生前半の社会保障
  3. 地産地消ビジネス

正社員になれる社会

中小企業にとって正社員化した時の社会保障費負担が大きいため正社員に出来ないと言う。

20万円くらいの給料を払うと3万円くらいの社会保障費負担が発生する。

それを10年位は国で保証することで、正社員を増やすというものだ。

人生前半の社会保障

保育所の充実が具体的な政策。保育所を作ることで働き手が増える上、その年代は消費性向が高いのでGDPに好影響を与えるというもの。

地産地消ビジネス

イタリアのように車やかばんなど地域で特色がある製品が作れるようにし、地域で経済が回る様にするというもの。

 

もう一つの受け皿がない問題

経済失政や議員の失言などが起こってもまた自民党の支持率が上がってしまう。

民主党は、「新党を作ったほうがいい、今の形にこだわるのはやめたほうがいい」と発言。

党名をどうするかは問題で一言で理念が分かる党名を見つけるのは難しいと語った。

ただし今は「岡田さんが俺に任せろと言うので」静観。

 

経済は下り坂、対策を打たねばならない

経済が下り調子で、鉄の価格が2割安になっている。需要が減っている。

自民党は、民主党の時より良いからと言っている状況じゃない。

 

細野豪志という人

一度、ニコニコ超会議というイベントで彼の話を聞いたことがある。

非常に明快な語り口調で、言っていることも正しい、頭の切れる方だと感じた。

隣のパネリストが菅直人だったからかも知れないが。

自分としては憲法の改正賛成の人が幹事長で、全く反対の事を言う人が多数いる民主党は早めに解党して、一強多弱の状況は改善してほしい。

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日本経済の暗雲の正体-2016/02/20マネーの羅針盤

マネーの羅針盤 

今週1000円の値を上げた日経平均株価だが、本格的な反発ではない。

昨年10−12月期GDPの速報値はマイナス1.4%

回復するいい要因がなく、現実の問題としては消費が増えてない。

 

アメリカの状況は?

ニューヨークスタジオ田中さん。ちょっと寝ぐせが目立つ。

サウジアラビアとロシアら産油4カ国が原油の増産凍結を発表し、NY株価は上がった。

消費者物価指数(コア)は前月比0.3%の上昇。これは2011年8月ぶりの高上昇率。

労働市場も新規失業保険申請者数が26万人と低い値。

しかし、景気減速のシグナルは出ており2月の製造業景気指数マイナス値へ。

配当伸び率も下がっている。

確定申告はを行うアメリカ人の65.5%は還付を受けるだろうと予想されている。
そのうち、49.2%が貯金に回り、9.2%を消費に回す予定だという。

消費に回す分が減っているという。

 

今週のマーケット

為替は一時114円台まで円安に進んだものの、金曜日に向けて上昇し112円台に落ち着く。

原油下落基調からは落ち着いた。

 

日本経済の暗雲の正体

暗雲の特徴を経済産業研究所理事長の中島厚志さんが解説。

株式マーケットの低迷、為替は112円の円高。

企業の業績を見ると経常は2015年も好調なのに、なぜ株価が下がるのか?

1つは急激な円高。

2つ目に投機に晒されているということ。

昨年どれだけドルに対して切り上がったか?

主要通貨の対ドルの騰落率を見ると、アメリカ利上げし日本は低金利政策を行った結果、

円は対ドルに対し5.8%も上がっている。

円以外の主要通貨は下がっている。

つまり資金が円に逃避している事になる。

円が安全資産な理由がないはずだが。。

円高→株安 円安→株高 が確実になっている。

なので投機筋は2重で儲けられる。例えば円高を狙ってトレードしている時に株安に張れば2倍で儲かるというわけだ。

よって円相場と日本株が狙われている。

この方程式のせいで、企業業績と異なる方向に連動しかねない状況になっている。

コンピューターにプログラムされたこのような取引のせいでボラティリティが増大し、財務諸表以上に影響を受けるようになっている。

 

日本の企業業績は史上最高だが、所得は90年台位になっている。

中小企業は必ずしも良くなっていない。円安で輸出は増えてないのだ。海外で売ってるものの円換算で円安がプラスに働いているだけで輸出でのプラスはない。したがって、輸出が収益源となっている中小企業は今回の円安がプラスに働いていない。

赤坂OLの会話で「朝と昼ごはんの予算で500円」と言う話が出ていた。これで消費が増えるはずがない。

金融が表舞台に出てきて乱暴なことをしている。これは規制したほうがいいのでは?

実際規制は充分ではなく、国際協調が必要になると中島さんは語る。

アメリカは他国通貨に対して独歩高の状況。他の国はまだ対ドル安誘導をしたいと思っている。

 

株価乱高下の犯人は?

窪田真之さん(楽天証券経済研究所長 兼 チーフ・ストラテジスト)が解説。

海外のヘッジファンド・外国人の日本株売りが出ている。海外から見ると日本株は変動が激しいので、何か悪条件があると日本株が売られる環境下になってる。

例えば、

また、日経平均ダブルブルファンドが影響を与えている。このファンドが流行ってる。

日経平均の変動幅の2倍で連動するように仕組まれている。

日経平均が、

  • 下がったら先物を売る
  • 上がったら先物を買う

ことで2倍連動が可能になる。3倍になるものも販売されている。

他にも、日経平均リンク債も影響を与えている。

20,000円から16,000円割れると元本割れの可能性があると言うファンドを組む。この16,000円をノックイン価格という。

ノックイン価格になると、先物に売りが出るとプログラムされている。

これが自動的に発動するため、経済の要因に合っていない売りが発生している。

なので日本株は割安になっているのではないか?と言う。

 

来週の予定

26日 日本 全国消費者物価指数 発表

26日 米国 四半期GDP(改定値) 発表

 

プログラムトレーディングの問題と対処

これからも荒れるのか?

マーケットの安定が大事。円高円安で振りまわされない体質を企業が作る必要がある。

為替を動かす投機筋のコントロールが大事だと思うが、なかなか難しい。

 

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【読了】外食業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本で感動してしまった

(これから働く予定の)スタバも外食業界に分類されるので業界を俯瞰してみようと思った。

 
外食って
外食は自宅で食事をとる内食に対する言葉。
一言で外食業界と言っても幅広い。会社や病院の中の食堂も外食に含まれるし、居酒屋も立ち食いそばも外食業界だ。
 
市場規模は約24兆円。おおよそ物流、電力業界と同じくらいの規模感がある。
 
本書によると店舗数は2010年ごろから減少傾向にあるという。
また、高級か安さかで二極化する傾向が見られる。

外食業界の中で最も大きな部門給食事業所内の食堂を委託している部分が大きい。また、規制緩和により病院も委託できるようになってから成長している。トップの企業はあまり聞きなれない日清医療食品という会社。なお、カップラーメンの日清食品とは資本関係はない
 
面白い指標
本書では外食の経営手法が大まかに解説されていた。FL比率という指標が使われ、FはFood(材料費)でLはLabor(人件費)、FL比率=(材料費+人件費)/売上高が6割以上になると何か改善策を打つべきだと考えられる。

世界初のフランチャイズ
外食企業を拡大させる手段としてフランチャイズがある。
フランチャイザー(本部)とフランチャイジー(加盟店、店舗のオーナー)がフランチャイズ契約をすること。
ちなみに世界初のフランチャイズケンタッキー・フライド・チキンである。
白い髪と髭と服を着たカーネル・サンダースは16歳に軍隊に入隊し、その後機関車の修理・保険外交員・ガソリンスタンド経営し倒産させたりした。
齢65・・ガソリンスタンドの横で作っていたフライドチキンのレシピをピート・ハーマンに教えた事をきっかけに、商品サービスブランドをまとめて提供する代わりに歩合を得るビジネスを始めた。
約10年で600店舗のケンタッキー・フライド・チキンをたてたのだった。
フランチャイズビジネスを確立したことも凄いが、それまでの職を転々とした波瀾の人生も凄い。見習わなきゃ。
 
本書では、このフランチャイズモデルの良し悪しが書かれている。
双方のメリットは、
  • フランチャイザー(本部):急速に出店を伸ばすことが出来る。加盟店が増えることによる原材料調達コストを削減できる。
  • フランチャイジー(加盟店):ノウハウを本部から得られる。本部のブランド力により安定した経営が見込める。
反面デメリットは、
  • フランチャイザー(本部):加盟店のミスによるブランドの毀損。ノウハウの流出。
  • フランチャイジー(加盟店):経営の自由度を本部に制限される。ロイヤリティーを支払う必要がある。

面白かったのは居酒屋でフランチャイズを初めてしたのは養老乃瀧

また、ワタミつぼ八のフランジャイジーだったが独立したらしい。

宅配ピザのドミノピザのフランチャイズを断られた経営者が設立したのがピザーラ(会社名はフォーシーズンズ)。

昔、ピザーラのバイトをしていた自分としては面白い情報だった笑

 

店舗内での役割
日常のオペレーションを回すには、現場のバイトや社員スタッフが必要。
業界ではだいたい10人の従業員のうち8人がバイト、2人の社員という構成らしい。
社員の中でもおおよそ3タイプの職種がいる。
  • 店長:店舗での日常のオペレーションに責任を持つ。発注・現預金管理・シフト管理・採用にも権限を持つ場合がある。
  • スーパーバイザー:ある一定地域の店長を管理し、本社との間で意思疎通を行う立場。営業目標に到達していない店舗があると店長と協力して対策を練る。また、地域内の競合店の情報収集なども欠かせない仕事。
  • バイヤー:店舗で扱う商品の仕入を行う。商品企画を行う重要な立場である事が多くニーズに敏感じゃないといけない。

スターバックスについて

この本が書かれた2013年3月末時点で、985店舗(内ライセンス店舗43)

売上高は約1000億。ちゃんと書かれてたけど忘れちゃった。

スイートスポット領域を増やすため、高売上高のドライブスルー店舗・低売上だが収益を確保できるストアタイプ・持続的成長に向けた新業態店舗(なんだそれ?TSUTAYA併設とかかな)を増やしていくらしい。

今では1,000店舗を超えているスターバックスだが、フランチャイズで拡大していないところが凄い。それだけ理念を重視して経営手法が漏れないようにしているのだろう。

競合は、

外食業界の本当の価値とは
この本の一番感動したところは、あとがきにあった。
貧乏なときでも外食をしているときはリッチな気持ちにしてもらえる。外食の役割はただ空腹を満たしてくれるだけなく、幸せなひとときを感じさせてくれることだ。
著者の中村恵二氏の言葉が自分には刺さった。
スタバでコーヒーをすすりながら、この本を読んでいて正にそのとおりだと思った。
今、仕事をしている人の中でお客さんの何を満たしているかを考えて仕事ができている人はどれだけいるだろうか?
それを考えられるだけの余裕(給与や福利厚生)を企業は従業員に与えられているだろうか?
 
最後はなんだか哲学めいてしまったが他にも、各店舗・グループ毎の特色が書かれていたり各種統計が載っているので外食業界に興味がある人は読んでみる価値はある。
 
起業するとしても、フランチャイズというシステムが確立している外食業界はリスクが低くビジネスチャンスがあるかもしれない。そう、300万円を貯めてつぼ八フランチャイジーになった渡邉美樹氏の様に。。